たたかいの現場から
772号

ポイントは法律の目的を変えること
労働者派遣法改正にむけて野党共同法案について聞く

 与野党逆転が期待されるなか、7月17日に全水道会館で、格差是正と派遣法改正を実現する連絡会主催「実現しよう!野党共同法案を派遣法改正を求める7・17集会」が開かれた。
 労働者派遣法は1985年の制定とその後の改正を経るごとに格差・貧困化という状況を作り出してきた「諸悪の根源」である。そして、年末年始の「年越し派遣村」は派遣労働問題を「可視化」させ、まったなしの解決が課題であることを社会的につきだすものとなった。
 与党改正案は見せかけでしかない。6月26日には、民主、社民、国民新の野党3党が改正案を衆院に提出した。総選挙で与野党逆転ともなれば、与党案として法案化される可能性があり、派遣法抜本改正にむけた好機となる。
 集会では全国ユニオンの鴨桃代会長が、多くの人々のこれまでの取り組みが野党案となってあらわれているが、一方で人材派遣協会などは規制強化反対の署名活動をおこなうなど巻き返しも激しい。アンケートでも大多数の人は派遣で働きたくない、正社員になりたいと答えている。この思いを法改正で実現していきたいと述べた。
 福島瑞穂社民党党首が3党改正案を解説。改正案のポイントは、名称に「派遣労働者の保護」が入っているように、法律の目的を変えることだ。「禁止業務の追加」では、専門業務を除き製造業派遣を禁止することとし、「一般労働者派遣事業」では、26専門業務以外は常用雇用のみとするとした。製造業での専門業務とはなにか、26専門業務とはどんなものにするかについては詰める必要がある。日雇い派遣は当然に禁止する。重要なのは、「直接雇用みなし規定」を創設し、禁止業務で派遣を受け入れたり、許可・無届と知りながら、また期間制限を超えたりした場合は、「派遣労働者が派遣先に対して『あなたが私の雇用主です』と『通告できる』こと」としたことだ。社民党と民主党の間での法案の摺り合わせでも対立はあったがようやくまとまった。今国会は解散で廃案となるが、民主党もこの法案を共同提出したのだから、次の国会ではこの形で成立させる責任がある。
 棗一郎弁護士が3党改正案への期待を述べ、トルコ航空ユニオン(派遣ユニオン)からのアピール、日本労働弁護団小島周一幹事長からの発言があり、閉会挨拶で関根秀一郎派遣ユニオン書記長は、「3党案は不十分な面も多いが、一歩前進と受けとめ早期の成立をめざしたい」と述べた。

(本誌編集委員 木島淳夫)

あきらめない一歩一歩の闘いを
「日の丸・君が代」停職3ヵ月(渡辺厚子)の報告集会

 7月17日、3ヵ月間の校門闘争や練馬駅情宣活動の闘いの報告集会が、東京芸術劇場で開催され、82名が参加した。
 渡辺さんは、3月の卒業式での不起立により、それまでの停職1ヵ月の処分が累積加算され、4〜6月までの停職3ヵ月という不当な処分を受けた。校門での声かけ、ビラまき活動は、毎週月〜水曜午前8時から10時、マイクでのビラまき練馬駅情宣は毎週水曜の午後5時30分から1時間行ない、のべ222名が参加した。
 集会で渡辺さんは、「学校職場と生徒から切り離された苦痛の中で、地域や労働組合など多くの方の支援を戴いた。3ヵ月間、外部に見える形で闘い抜いた意義とともに、『日の丸・君が代』の闘いが厳しくなるなかで、どう輪を広げ、どのような展望を持って闘っていくのかという分岐点に立たされている」と話した。
 パネルディスカッションでは、山田昭次(立教大学名誉教授)、青木弁護士(被処分者の会弁護団)、京極紀子(「日の丸・君が代」の法制化と強制に反対する神奈川の会)が登壇。青木弁護士は都教委の不当な支配を根本に据える重要性について、京極さんは幅の広い闘いとして目に見える形であきらめず継続して闘っていく重要性について述べた。山田先生は、「全国戦没者追悼集会で歴代首相が一貫して国のために命をささげたと発言し続け、侵略戦争を反省していない。それが『日の丸・君が代』強制に結びついている。日本国民の特殊性と限界は、この問題を曖昧にしてきた結果、国民自らが犯した罪を問い返えせないことにある。この現実を突破するには民主化のために命をかけて闘った人達が示しているように、断固とした怯まない闘いの決意が問われている」と述べた。  校門闘争のビデオ上映と活動に参加した人を代表して、北区民の会・高橋さん、地域と学校を結ぶ板橋の会・高井さん、北部共闘・連帯労組の渡辺さん、練馬全労協の真下さん、市民の会の重野の5名が報告を行った。「停職1ヵ月の時と違い、職員がギスギスせず笑顔で御苦労様と接してくれた。これも継続してきたからだと思う」「練馬駅情宣ではビラの受け取りもよく、若い高校生もきちっと話を聞いてくれ、勇気をもらった」などの報告がなされた。
 日本における民主主義と、思想・良心の自由と人権のためには、この闘いの火を消さず、あきらめない一歩一歩の闘いを通して、一人でも二人でも理解してもらう必要性をあらためて強く感じた。

(「良心・表現の自由を!」声をあげる市民の会 重野富男)

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