たたかいの現場から
789号

10春闘勝利!4・7中央総行動
雇用確保、生活賃金確立、派遣法の抜本改正・均等待遇の実現を

 4月7日、中央総行動が取り組まれた。10春闘は3・17大手集中回答で山場を越えたが定期昇給をめぐる攻防となり、生活実態や要求とかけ離れた結果となった。しかし、けんり春闘に結集する労組や地域ユニオンの闘いはこれからが正念場である。
 午前中には東京東部総行動が取り組まれ、午後からはストライキで結集した仲間をはじめ首都圏から労働者が参集し、1時半より大手町の新経団連ビル前集会で始まった。
 冒頭挨拶に立った全労協藤崎議長は、「経団連加盟企業は膨大な内部留保を労働者に還元しろ! 企業(経営者)は社会的責任を果たせ!」と迫り、雇用の確保、生活賃金確立、派遣法の抜本改正・均等待遇の実現を訴えた。集会が続行するなか、代表団による経団連への要請も行われた。
 続いて霞が関に移動。日本郵政本社前では3・18ストで全国から闘い抜いた郵政ユニオンの仲間から、郵政非正規労働者の社員化問題、個包配達部門の合理化を許さない闘いの決意が明らかにされた。
 また、隣のビルには首都高速会社があり、ビルの玄関前に道路料金所で働く労働者が、莚旗を林立させ待機。危険かつ低賃金という労働条件の改善を求め闘うとハイウエイ労組から決意表明。
 締めくくりの集会は厚生労働省前にて開催。今国会で審議される派遣法の抜本改正に向け闘いをさらに強め、20年に及んだ労働者をモノ扱いする労働法制の改悪、規制緩和の流れから労働者の権利獲得への規制強化へと方向転換させる第一歩とさせようと力強い訴えかけがされた。
 その後、官庁街をデモ行進し桜並木のもと国会請願を行い、院内外の連携して派遣法の見直し・抜本改正の実現をとエールを交換し、全日にわたる春闘行動を終了した。

東京全労協北部 小泉尚之

官邸前・国会周辺で「沖縄に基地はいらない」の訴え

 鳩山政権は、3月中に普天間飛行場の「移設」先の政府案を確定するとしていたが、結局鳩山の「腹案」なるものが明らかにされないまま、キャンプ・シュワブ陸上、勝連沖埋め立て、徳之島への訓練移転などの錯綜した情報がメディアで飛び交いながら4月を迎えることになった。沖縄県民の怒り、いらだちはいっそう募っている。
 4月6日10時半から、「県外移設の不履行は絶対に認めない!」の声をあげて「ウチナンチュの首相官邸前座り込み」が始まった。金城実さん(彫刻家)、知花昌一さん(読谷村議)などが呼びかけた、この行動には在京のウチナンチュや支援の人びとが続々詰めかけて、この日だけで400人に達した。内閣府への申し入れ、リレートーク、知花さんの三線、金城さんのゲタを使ったパフォーマンスなど、首相官邸・国会周辺は1日中、沖縄に米軍基地を押し付けるな、の訴えが響き渡った。この座り込みは4月9日まで続く。
 同日12時から、アメリカの新聞に基地反対の意見広告を準備しているJUCOネットワークが「美ら海・沖縄に基地はいらない! 勝連沖埋立案を許さない!」院内集会。鳩山政権が「移設」の有力候補の一つとする勝連半島(与勝半島)沖埋立案に反対する、うるま市民の報告をメインにした緊急の取り組みだ。
 糸数慶子議員(参)をはじめ、民主、共産、社民の各議員のあいさつの後、与勝海上計画に反対する、うるま市民協議会の伊波義安さんが報告。伊波さんは普天間基地の2倍もの広さの海上基地を作るために400種類ものサンゴが生育し、日本一のモズクの養殖場がある海を殺すなと訴え、「環境破壊、漁民の生活破壊、近くにある石油タンク基地が墜落事故で爆発・炎上する可能性」を上げて、何があっても基地をつくらせないと強調した。WWFジャパンの花輪伸一さんは、「移設」案の一つがつぶれるたびに次の候補地は大きなものになっていくと指摘。「勝連沖は基地建設が可能な場所ではない」と説明した。
 4月25日の沖縄県民大会に合わせて沖縄・一坪反戦地主会関東ブロックの呼びかけの“沖縄県民大会とともに声をあげよう”東京集会が開催される(4月25日15時、社会文化会館ホール)。18時からはピースボートなどが中心になって明治公園で「NO BASE OKINAWA」の人文字キャンドル行動も企画されている。「本土」での闘いが決定的に重要だ。

(本誌編集委員 国富建治)

沖縄基地移転問題支援「塩見孝也・生前葬」

 現在、沖縄基地移設問題にくさびを打つため、「沖縄県人1千人上京・鳩山首相直訴運動」がはじまった。これは、さまざまな取り組みや運動とも連帯しながら進められているが、そこに今回、元赤軍派議長・塩見孝也が、自らが役立てばと身をなげうち、生前葬をおこなうことになった。彼は、人生を振り返り、直接的な関係が薄いと周囲が思う問題に対してもその責任を自覚して謝罪の意を伝え、社会がよりよい方向へと進むために本気で生まれ変わる覚悟だ。
 この「沖縄基地移転問題支援のための塩見孝也・生前葬」は、4月24日(土)18時15分より、総評会館(JR御茶ノ水駅、東京メトロ新御茶ノ水駅)にておこなう。会費なし、お受けしたご厚志は「沖縄県人1千人上京・鳩山首相直訴運動」と「遺族」にお渡しする。葬儀委員は、池口恵観、岡留安則、喜納昌吉、新開純也、知花昌一、平野悠、宮台真司、奈良本英祐、若松孝二、生田あい、池辺幸恵、雨宮処凛、早見慶子、石橋行受、小田原紀雄、松本健一、鈴木邦男、木村三浩、相川晴彦、富田杏二、塩川喜信、小川登、江田忠雄、平井吉夫、川上徹、正清太一、三上治、斉藤政明、成島忠夫、藤山顕一郎ほか。実行委員は、下山保、渕上太郎、平岡臣実ほか。
 この企画・運営を、制作のプロ集団「インディーズギルド」のメンバーが手がける。内容は、映像上映、弔辞、料理「最後の晩餐(琉球料理や60〜70年代喫茶店メニュー)」、「お経ラップ」音楽、遺言書朗読、沖縄との中継など、真剣な儀式とユーモアたっぷりの余興とを組み合わせ、盛りだくさん。
 それに先立ち、10日(土)には、新宿ネイキッドロフトにて、塩見孝也生前葬カウントダウンイベント「元赤軍派議長、最後の・遺言・」が開催される。13時開場、13時30分開演で、料金は千円+飲食代。出演は塩見孝也、「介錯人」は鈴木邦男(一水会顧問)、平野悠(ロフト席亭)、司会は椎野礼仁。

(インディーズギルド 小林蓮実)

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