たたかいの現場から
872号

「再稼働反対! 9.14さようなら原発集会」に9千人

 9月14日、東京の亀戸公園で「再稼働反対! 9・14さようなら原発大集会」が開催された。
 主催は「さようなら原発1千万署名市民の会。翌15日には大飯原発4号機が運転を停止し、昨年5月5日に続いて稼働原発が再びゼロになる。今度こそあらゆる原発の再稼働を止めようという思いを込めてこの日の集会とデモが行われた。
 パンフレット、食べものなどのさまざまなブースが11時から開かれ、小ステージではバンドの演奏やスピーチなども行われている。
 メインステージで12時50分から開催された第1部の集会では、青森、東海村、柏崎刈羽、横須賀、福井などの原発立地と原子力空母母港、そして福島の避難した母親からのあいさつ。
 光風&Green Massiveの演奏をはさんだ第2部では「1000万人署名」呼びかけ人の落合恵子さん、大江健三郎さんがあいさつ。2人はブエノスアイレスで開催されたオリンピック招致のプレゼンテーションで安倍首相が「原発事故は完全にコントロールされている」「放射能汚染水は0.3平方キロの港湾内で完全にブロックされている」と恥しらずのウソを述べて、東京五輪を呼び寄せたことを厳しく批判。落合さんは「汚染水が止まらないのだから五輪は返上すべきだ」と訴えた。
 つづいて郡山から静岡県に避難している長谷川克己さんは、8月30日に復興庁が発表した原発事故・子ども被災者基本法の「基本方針」が、避難・居住・帰還を選択するいずれの被災者にも補償・居住・就労の権利を保障し、医療・健康にも手厚い対策を行う法の理念を無視したものであることを批判した。また東電関係者などの刑事責任を問う福島原発告訴団の提訴を不起訴処分にした9月9日の東京地検の決定を糾弾した。
 さらに泊原発、伊方原発、川内原発現地からの再稼働阻止のアピールを受け、鎌田慧さんの閉会あいさつの後、2コースに分かれてデモに出発した。
 この日の参加者は9千人(主催者発表)。猛暑がぶり返す中で、デモ参加者はスカイツリーの間近を通るコースを元気よく「原発再稼働阻止」を訴えて歩いた。

国富 建治(本誌運営委員)

「ブラック企業大賞」を機に、実行委員会が二冊の本を出版

 今年2回目となった「ブラック企業大賞」を機に、実行委員会が二冊の本を出版した。「マンガでわかるブラック企業〜人を使い捨てる会社に壊されないために」は、4コマ漫画や挿絵を用いて、ブラック企業が仕掛けてくる労働基準法違反をわかりやすく説明している。
 労働組合活動家やジャーナリストなどで構成される実行委員会は、ブラック企業大賞を設立した当初から、組合活動以外の方法でも労働者の権利を知ってもらえる手段を模索していた。この本は、まさにその一手段である。
 「ブラック語録大全」には、大手企業社長やブラック企業応援団とも言える社労士などの言葉が100以上紹介されている。そのほとんどは、企業家の経営能力や一般常識と勘違いされている文言や思想。夢や希望を語り、それを実現するには死をも決して会社に忠誠心を誓え―こういった経営者の呪縛から労働者が解放されるために、この暴言のどこがおかしいのかが解説されている。
 とくに、今苦しんでいる労働者や就職を目前にしている人たちの目に触れるべき一冊。ともに合同出版より。

松元 千枝(ジャーナリスト)

 

日日刻刻  全産業の人件費の減少 (8.27〜9.5)


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