たたかいの現場から
819号

解雇権濫用法理適用を認めるも地位確認請求棄却の不当判決
「須賀川特養エルピス」不当解雇撤回裁判

 6月29日、福島地裁郡山支部(清水響裁判長)は「解雇権の濫用法理が類推適用される」としながらも、正規労働者と非正規労働者の判断基準が事案の内容によっては違うこともありうる(非正規労働者に対しては雇用主の裁量権を大幅に認容)との信じがたい判決を出しました。
 つまり、非正規労働者である関根たつ子の契約更新拒絶は「合理的なものである」として不当判決を言い渡したのです。これは非正規労働者への差別的扱いを司法が容認した許しがたい判決です。到底納得できるものではありません。
 このことが許されるとなれば、介護労働者のみならず全産業の非正規労働者の労働環境はますます過酷なものとなることは必至です。
 福島地裁郡山支部の判断は、「真面目に介護業務に取り組んでいたことは認められるがそれだけでは足りない。被告が契約の更新拒絶をしたことについては合理的な理由及び社会相当性がある」としたのです。5回の弁論準備で出された書類と話し合いは何だったのかと愕然としました。
 エルピスは、裁判になると次々と後出しデータを提出し、裁判官も「これは後出しですね」と言うほどのなりふり構わずという態度でした。最も卑劣なやり方は、職場の同僚に書かせた「関根さんとは一緒に仕事をしたくない」という恣意的なアンケートと称した陳述書でした。証人尋問にも証人として法廷に立たせています。この証人尋問の時に「関根さんにも何かいいところはあるでしょう」との裁判長の問いに対し「関根さんは利用者とのコミュニケーションをとるのが上手でした」と、職場のリーダー(被告側証人)は介護労働者として最も大事なことを証言台で述べていたのです。しかし、原告側の証拠は何一つ採用されず、被告側の証拠のみを全面的に採用した判決となりました。
 介護の現状は施設側の効率第一主義が優先されています。私は利用者に「寄り添う介護」、「利用者の安心、安全、自立、尊厳」を忘れずに、理念を実現させたいと働いてきました。そのことを5回の弁論準備と話し合いの場で訴えてきましたが、裁判官の心には届いていなかったことがとても悔しいです。
 多くの介護労働者は、正規であっても低い労働条件に抑えられております。ましてや非正規はなお更です。問題があっても我慢している状況です。こうした労働者の献身的忍耐によって介護は支えられています。  私は、ふくしま連帯労組と私を支援してくださる多くの皆さんとともに、非正規労働者全体の権利を向上させる闘いでもあると再確認し、闘いを継続することとしました。
 何としてもこの不当判決を覆し、解雇撤回と職場復帰を求めていきますので、今後も皆様のご理解とご支援をよろしくお願いします。

関根たつ子(原告/介護職員)

「東京電力株主総会にフクシマの声を6・28アクション」報告

 夜明け前の4時半、雨の郡山市を出発。総会会場「ザ・プリンスパークタワー東京」の東エントランスに着いたのは8時40分。続々と株主が詰めかけ、警察、東電社員、テレビ・新聞・海外・フリーメディア、通行人などで歩道があふれる中、横断幕を掲げチラシを配布しアピールしました。
 株主402人提案「原子力発電からの撤退、古い原子力発電所から順に停止・廃炉」「原子力発電所の新設・増設は行わない」に賛成し採択して頂くことを原発・放射能汚染に苦しんでいる福島県民として、株主の皆さんに訴えました。
 株主参加は例年の3倍、9千人以上。6時間を超えた総会で、私たちの友人の浅田正文さん(福島県田村市都路から石川県に避難)をはじめ多くの株主が経営責任を追及し、脱原発に舵を切れ!と声を上げました。6割の法人株主の委任状及び社員株主の数で否決されたとはいえ、脱原発への賛同が大きく増えたことは大きな成果でした。脱原発東電株主運動や環境NGO、市民グループとも連携がとれました。
 美しい故郷を命を破壊されたフクシマの悲劇を日本中で繰り返さないためにも、私たちの選択は「脱原発」しかありません。安全な原発なんてまやかしであり、福島県民はもう騙されないことを訴え続けていきます。

「東電は福島県民に全面補償せよ」のチラシ千枚は20分でなくなりました。(以下文面)
 東京電力の原発事故によって、福島県民はふるさとを、住処を、仕事場を、学び舎を、日常生活を、自然環境を、安全な空気と水と土を、収入を、そしていのちと健康を奪われました。福島県民は、悩み、苦しみ、怒っています。東京電力は責任を取り、あらゆる損害に対して全面的に賠償しなければなりません! 私たちは、下記の項目を早急に実施することを求めます。
◎事故の収束、全原発の運転停止、廃炉推進、◎子どもをはじめ県民の避難・移住費用の負担、◎汚染された表土、瓦礫、汚泥等の撤去・搬出、◎大地、空気、水、生活環境の浄化、◎農林漁業・事業収入、雇用・賃金喪失、健康被害への補償、◎恒久的な健康管理と医療保障、◎猪苗代湖・尾瀬沼水利権の福島県への返還、◎布引高原風力発電電力の供給

東京電力に全面補償と原発廃止を求める福島県民有志

蛇石郁子(郡山市議)

【御礼と報告】

 鉄建・鉄運訴訟原告団中央協議会から争議解決記念に大きなスチール棚(写真)をいただきました。狭かった部屋もすっきり。大切に使わせていただきます。

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