900号
「最低賃金引き上げ旋風」の源 米国マクドナルド労働者が来日
労働者は奴隷ではない。会社は権利を尊重し、人間として扱ってほしい―。そう都内マクドナルド前で訴えたのは、米・ロサンゼルスから来日したモーゼス・ブルックスさん（２３）。
ブルックスさんは、ロス市内のマクドナルドで働いているが、５月１５日世界一斉行動のときにはじめて、時給１５ドルを求めて抗議行動に参加。６月の株主総会での抗議行動を経て、９月４日には運動はさらに規模を広げ、労働者が全米１５０都市で同時ストを打った。
ブルックスさんは、一緒に来日している同僚、アルビナ・アーデンさん（２７）らと市民的不服従をもって座り込み、逮捕された。
世界規模に発展したファストフード労働者の賃上げ闘争は１１月、シカゴやロス、ニューヨークのマクドナルドで働く労働者を８ヵ国に渡る世界オルグツアーに送り出した。
「私たちは同じ地球に住んでいる人間。日本の労働者がひどい状況に置かれていることを聞いて憤りを感じています。マクドナルドのような会社が利益を上げている一方で、労働者は搾取されている。会社の成功は低賃金労働者の犠牲の上に成り立っている。こんな状況はもうたくさんだと声をあげて、一緒に立ち上がりましょう」と、ブルックスさんは１１月１２日に都内の街頭で仲間と訴えた。
「権利を尊重し、公正な賃金を」とのスローガンのもとファストフード労働者が声をあげたことによって、全米では各地で最低賃金引き上げの議会決定につながったが、この運動では同時に、ファストフード、特にマクドナルドで働く労働者の組合結成の権利も訴えている。
来日中、ブルックスさんとアーデンさんは、首都圏青年ユニオンの組合員らと交流し、労働運動活動家のための組織化ワークショップなども開催。１３日に全労連主催の集会に出席したあと、フィリピンに出発した。
松元 千枝（team rodojoho）
戦争させない・９条壊すな！ １１．１１総がかり行動に７千人
約７千人が国会議事堂を取り囲み、「安倍政権にＮＯ！」の声をたたきつけました。１１月１１日夜、「戦争をさせない千人委員会」と「解釈で憲法９条を壊すな！実行委員会」が主催し「戦争させない・９条壊すな！総がかり国会包囲行動」が行われ、小雨まじりの中、国会周辺には続々と多くの人々が駆けつけました。
歩道をぎっしり埋めた参加者は、キャンドルやペンライトなどをかざし、時間を合わせて四方から「集団的自衛権行使容認、今すぐ撤回！」「戦争する国、絶対反対！」「９条壊すな！」の同時コールを行いました。また、衆院解散の報道が流れる中で、「安倍はやめろ！」の声もひときわ大きく響きました。
各所では野党各党の議員や、鎌田慧さん、落合恵子さん、佐高信さんなど呼びかけ人が「憲法違反の閣議決定に基づく日米防衛ガイドラインや戦争関連法案制定を阻止しよう」などと決意表明を行いました。
市村 忠文（平和フォーラム）
運動の成果で“廃案” 次のたたかいへ…
１１月１８日１２〜１３時、すっかり恒例となった感のある『雇用共同アクション』の国会前昼行動が取り組まれ、約７０名が参加した。
強行採決の可能性も含んだ緊張感の中で行われていた前週までとは変わって、生涯ハケン・格差固定化を決定的にする派遣法改悪法案を“廃案”に追い込んだ闘いの成果を、仲間たちが確かめ合う一時ともなった。
この間、連日の平日行動、しかも「明日やる」「時間変更」というメールが飛び交う状況にもかかわらず、この日も現場から駆けつける仲間の姿があり、参加団体の全労連・全労協・ＭＩＣほかから発言がなされ、記載ミスという前国会での敵失ではなく、今国会ではまさに運動の力で勝ち取った廃案であることが、それぞれの言葉で語られた。
その共通ポイントは、やはりこの法案が誰が考えても非常識きわまりない欠陥法案であったという点である。
与党の一員である公明党が、委員会審議の冒頭で修正案を出さざるを得なかった事実がこのことを物語っているし、３年超の派遣受け入れに関して塩崎厚労相が、「組合が反対一色だったのに、それを（会社側が）無視すれば労働局が指導するのは当然」と、“意見聴取”について一般人の感覚と一致した、しごく当たり前の誤解をしていたことも、この法案がフツーの常識からズレていると、馬脚があらわれた一例と言えよう。
行動参加者は、この運動の結実が総選挙によって虚しくされることのないよう、また来年の通常国会に必ず出される労働時間の規制緩和（ホワイトカラー・エグゼンプションのゾンビ再び！）に対しても、果敢に闘っていく決意を固め、秋晴れの午後に散会した。
取り組むべき課題は山積している。廃案で安堵することなく、年をまたぐ闘いに挑んでいきたいと思う。
寺尾 そのみ（ネットワークユニオン東京）
日日刻刻 非正規率３７．１％へ 連続上昇」（10.28〜11.11