たたかいの現場から

902+3号

◎「私たちは委縮しない」 秘密法施行直前、日比谷で大集会

 昨年12月の特定秘密保護法の強行可決から、1年となる12月6日、「秘密保護法廃止へ!実行委員会」と「秘密法に反対する全国ネットワーク」が主催する「秘密保護法施行するな!大集会」が、東京都千代田区の日比谷野外音楽堂で開かれた。

 衆院選告示後にもかかわらず約1千6百人(主催者発表)が集まり、10日に迫った施行を前に「諦めずに廃止を求め続けよう」と声を上げた。


 主催者代表の海渡雄一弁護士は「私たちには社会の主人公として、政府の秘密を知る権利がある。萎縮することなく闘い続けよう」とあいさつ。

 呼び掛け団体の日本新聞労働組合連合(新聞労連)の委員長として筆者は、一連の朝日新聞バッシングがエスカレートした背景に触れ「歴史修正主義勢力を容認する安倍政権の思惑があった。政権に批判的なメディアへの圧力が強まっている」と指摘。「法施行を機に、捜査当局が取材活動に不当な圧力を掛けてくることが予想される。運用状況に目を光らせて反対運動を風化させないことが大切だ」と述べた。


 吉良よし子参院議員(共産)が激励のあいさつをしたほか、近藤昭一、福山哲郎、福島瑞穂、糸数慶子、山本太郎の各氏らがメッセージを寄せた。


 「秘密保護法に反対する学生有志の会・SASPL」の奥田愛基さん(明治学院大)は「新聞やテレビで若者は何をやっているんだと言われ、余計なお世話だとも思ったが、若者も声を出さないとだめ。一緒にがんばりましょう」と発言し、集会の最後にはラップ調のシュプレヒコールを披露。最初は戸惑い気味だった参加者もすぐに声を合わせ、会場全体に掛け声が響き渡った。
 参加者は集会後、銀座を1時間近くデモ行進した。


新崎 盛吾(新聞労連・中央執行委員長)

 

◎15けんり春闘実行委が発足 2.20東京総行動呼びかけ

 「情勢には機敏に、仲間には大らかに、果敢にたたかおう」
 全港湾・松本耕三委員長のこんなあいさつから、15けんり春闘全国実行委員会が発足した。12月13日、東京都内で「15けんり春闘発足総会・学習集会」が開かれ、80人以上が参加した。


 実行委の中岡基明事務局長が議案提案。「ディーセントワーク実現」と「平和と民主主義を守る」ことを目指し、ストライキ、労契法20条を使った職場闘争、2月20日の東京総行動への結集と争議支援を呼びかけ、拍手で確認された。
 学習集会では、労働弁護団常任幹事の棗一郎弁護士が講演で、「安倍雇用改革は、歴史を逆行させ暗黒の奴隷労働を招く」と喝破。残業代ゼロ法については、本誌892号への寄稿にふれ、「まさに時間泥棒」と強く批判。労働時間規制の適用除外が、早ければ15年1月中に労政審答申、2月にも閣議決定され、通常国会に出されようとしていると警鐘を鳴らした。
 解雇規制の緩和については、「解雇無効でもカネで済むようになり、会社に文句を言える人がいなくなる」。政府が労働政策研究・研修機構に委託して4つの裁判所の解雇事件の記録を調査。「解雇の相場表」を作ろうとしているが、その目安は「どんなひどい解雇でも6ヵ月(分の賃金)」と明かすと、参加者から驚きの声が漏れる。


 棗さんは、第一次安倍内閣でのエグゼンプション、第二次での解雇特区をつぶし、派遣法改悪を2度止めてきた成果を確認し、「潮流を超え、ゼネストを構えるくらいの覚悟で対決しよう」と檄を飛ばした。
 戦争させない1000人委員会の藤本泰成さんらの特別報告もあった。

 

北 健一(team rodojoho)

 

◎めげている暇なんかない! 土井さんの思いを引き継いでいこう

 衆議院選挙予測が自民圧勝を報じる中、去る9月に亡くなられた土井たか子さんを偲ぶ、「土井たか子さん、ありがとう! 思いを引き継ぐ集い」が12月12日、日本教育会館一ツ橋ホールで開かれた。

 この会場は1986年9月社会党第10代委員長となった土井さんを支えようと会場いっぱいの女性たちが「土井たか子を支える会」を発足した場所だという。


 吉岡しげみさんの歌が流れる中、司会は古今亭菊千代さん。選挙応援から駆けつけた福島みずほさんが呼びかけ人代表として、政治の母であり、護憲を掲げ国会内で仁王立ちしていた土井さんへの思いを語った。

 お別れの言葉は、同窓生の憲法学者永井憲一さんが憲法問題で足しげく議員会館に通ったこと、内海愛子さんはアジア人権基金の思い出を、世田谷区長の保坂展人さんは國弘正雄さんから「男が一人しかいない」と呼び出され支える会の事務局長になったことを、樋口恵子さんは高齢社会を良くする女性の会に土井さんがすぐに加入してくれたことを語った。

 

 次いで追悼のDVDや土井さん出演のCMが上映され、懐かしい声を聞く。土井さん、若い!カッコいい!ダメなものはダメとにらむ駄菓子屋のおばさん風の土井さんに笑い声も。
 後半のお別れの言葉、元朝日記者の早野透さんや佐高信さんは官僚や昔のまともな自民党の大物たちにも土井さんファンが多かったこと、沖縄からは東門美津子さんがあこがれの土井さんと2期国会で働けたことを、法学者の樋口陽一さんは96年の社民党党首就任はやめろと説得した思い出を、最後の落合恵子さんは選挙予想にめげるものかと怒髪を振りながら、サリナジョーンズの「明日に架ける橋」に訳を載せながら土井さんへの思い語った。

 土井さんも参加していた神楽坂女性合唱団が団歌「緑の地球」を歌い、途中土井さんのソロが流れた。高く力のある声だ。

 

柚木 康子(全石油昭和シェル労働組合)

 

 

日日刻刻  日日刻刻 経済同友会の労働政策見直し提言 (11.26〜12.4)


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