労働情報No.856


たたかいの現場から
856号

「福島原発事故に関し、厳正な捜査と起訴を求める署名」と
     「東京地検包囲行動」にご協力を!

 2012年3月に結成した『福島原発告訴団』は、6月の福島県民による1千324人の第一次告訴に続き、11月には全国に呼びかけ1万3千人を超える大集団告訴・告発を行いました。福島原発の事故は決して福島だけのできごとではなく、日本中の人々が、この人災にどれ程怒り悲しんでいるかと言うことが表れていると思いました。そして各地方の告訴団事務局のみなさまはじめ、勇気を持って告訴して下さった方々に感謝と連帯の気持ちでいっぱいです。
 これらの告訴・告発は既に受理され、検察の事情聴取や福島第一原発への捜査が行われています。しかし、政権が替わり原発の推進が再びなされようとしている緊迫の中、東京地検・福島地検が3月末に告訴について立件の可否を判断すると、新聞各社の報道がありました。しかし、検察は未だ東京電力などに強制捜査を行っていません。そのような状態で結論を出そうとしている検察に、更なる働きかけをしていかなくてはならないと考えました。
 そこで、緊急に『福島原発事故に関し、厳正な捜査・起訴を求める署名』を始める事になりました。また、2月22日には16時より東京地検をヒューマンチェーンで包囲し、署名を提出したいと思います。
 事故から2年が経とうとしていますが、福島の状況はますます困難を極めています。昨年の野田首相の収束宣言以来、事故は終わった、復興だと言う風潮が目立って来ました。しかし、福島原発の事故は何一つ終わっておりません。4つの原子炉からは毎時1千万ベクレルの放射性物質が大気中に放出されています。1日3千人の作業員が大量の被ばくをしながら瓦礫等の撤去作業をしています。除染はゼネコンの利権にまみれ、川に汚染土を捨てる手抜きが発覚しました。子どもたちの甲状腺検査の詳しい結果は情報開示請求をしなければ、本人の手にははいりません。県民健康調査では事前秘密会があった事が暴露されました。
 昨年12月に郡山市で『IAEA福島閣僚会議』が開かれ、各国のほとんどの閣僚たちはIAEAのもとに原発を継続する、または輸入新設すると表明しました。
 生きる尊厳を奪われ続け、私たちの悲しみと怒りは消えることはありません。
 このような中で、この告訴・告発は大きな意味を持つものと思います。
 強制捜査のもと、事故の原因をきちんと究明し、子どもたちの健康と未来を守るために、企業や国の間違った在り方をただしていくために、再度私たちは力を合わせていきましょう。ご協力をどうか宜しくお願い致します。

武藤類子(福島原発告訴団団長)

●署名用紙は、福島原発告訴団ブログからダウンロードできます。
  第一次締切=2013年2月15日、第二次締切=3月5日

●お問い合わせ
 〒963−4316 
 福島県田村市船引町芦沢字小倉140−1
 『福島原発告訴団』
 tel:080−5739−7279

 

すき家のゼンショーに勝った  個人加盟労組への団交拒否謝罪

 牛丼すき家を経営する株式会社ゼンショーが労働組合・首都圏青年ユニオンとの団体交渉を拒否している件について、2012年12月21日に東京地裁で和解が成立しました。
 この事件は06年夏に、渋谷のすき家の2店舗を突如閉鎖する話が持ち上がり、アルバイト6名がユニオンに加入し、団体交渉を行ったことが発端です。度重なる交渉の末、アルバイトの解雇を撤回し、その過程で明らかになった残業代未払いも是正させました。
 ユニオンは同年11月に「アルバイトの解雇を撤回させ、残業代未払いも是正させた」と記者会見し、「残業未払いのすき家アルバイトはユニオンに加入を!」と呼びかけました。
 その中の一人、仙台のすき家で働く福岡さんらの残業代未払いの案件で団体交渉を申し入れたところ、これまでの態度を一変し、ゼンショーは「個人加盟労組を労組とは認めない」として団交拒否してきました。
 このようなゼンショーに対して労働委員会に不当労働行為救済申し立てを行ったところ、東京都労働委員会・中央労働委員会ともに「ユニオンとの団交拒否は不当である」と命令が出されましたが、ゼンショーはこの命令取消を求める行政訴訟も提起。しかしながら東京地裁・東京高裁ともにゼンショーの主張は棄却され、ゼンショーは最高裁に上告をしていましたが、今回の和解に伴い上告を取り下げています。
 個人加盟労働組合が団体交渉を申し入れた際に、団体交渉を拒否するケースは相次いでいます。今回の和解を契機に、ローカルユニオンや個人加盟労働組合の存在意義をさらに高め、非正規雇用労働者の労働条件を改善していく運動を今後も旺盛に展開していきます。
 最後に、福岡さんのコメントを紹介します。
「この勝利はともに闘ってくれた首都圏青年ユニオンの仲間や弁護団の先生、皆様のおかげです。思い起こせば、会社から理不尽な刑事告訴をされたときは、会社を辞めたいと思うことも度々ありました。しかし何度も仙台から裁判所に通い、その度に傍聴席を満席にして応援していただいたことに勇気をいただきました。この和解を受けて、職場の周りに闘いとユニオンを広げていきたいと思います。残念ながら、まだ会社から昇給の面談再開などの連絡などはありませんが、ゼンショーには、今後いろいろなトラブルがあってもきちんと向き合っていただきたいと思います。また、すき家の労働者の皆さんも、飲食最大手の企業で働きながらも不安定な雇用に不安でいっぱいかもしれません。もし、サービス残業や理不尽な目にあったら、堂々と声を上げてください。決して泣き寝入りをせず、ベストを尽くし動く勇気を持ってください。ほんとうにありがとうございました。」

山田真吾(首都圏青年ユニオン事務局長)

 

日日刻刻 「21万2000人の人口減少」(12・18〜1・10)

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