アジア@世界
喜多幡 佳秀 訳(APWSL日本)
934+5号

★フランス
  「雇用改革」反対デモで広場占拠

 3月9日50万人のデモ(本誌4月1日号を参照)に続いて、同31日、全国で「雇用改革」反対のデモが行われ、120万人以上が参加した。

 パリではデモ参加者の一部がレピュブリック広場に集まり、「ニュイ・ドゥブ(夜、決起しよう)」を合言葉に広場を占拠した。


 ニュイ・ドゥブはその後も継続され、連日数百人から千数百人が参加している。広場占拠はパリのほか、トゥールーズ、リヨン、ナントなど各地へと拡大している。
 「フランス24」ウェブ版4月3日付は次のように報じている。


 (3月31日の)デモの後、多くの参加者は抗議行動を続け、メッセージを広げたいと思った。彼ら・彼女らはレピュブリック広場を3日間占拠しようと提案した。
 参加者たちはさまざまなきっかけでこの運動に関わるようになった。雇用改革に対する反対のほか、実業家で大富豪のベルナール・アルノーを皮肉ったドキュメンタリー映画「メルシー・パトロン」、2014年のグッドイヤー(タイヤ工場)の労働者の闘争(経営者を「誘拐」したことで話題になった)との連帯、ノートルダム空港計画への反対などである。


 しかし、今では「ニュイ・ドゥブ」の参加者たちは特定の要求を掲げるよりも、フランスが大事にしてきた共和制の理想に対する失望を強調するようになっている。それは本当の民主主義ではないと彼ら・彼女らは感じている。……


 広報担当のカミーユさん(自称)は「フランスでは一般的に市民運動は政党や労働組合と連携しています。しかし、この広場には政党や組合の旗はありません。完全に市民によって運営されています」と語っている。

 メディアへの受け答えでは、全員がカミーユ(自称)を名乗る。30〜100人ほどのグループに別れて、それぞれコミュニケーション、食料・物資の調達、防衛、娯楽などを担当する。重要な決定は毎日午後6時から開かれる総会で行われる。


 英国「ガーディアン」紙4月8日付のレポートによると、広場占拠の行動は2月に3〜400人の活動家が集まった集会の中から生まれた。「メルシー・パトロン」の制作チームやグッドイヤー労働者連帯の運動のほか、昨年11月以降の「非常事態」と治安作戦に対する怒りと苛立ちなどさまざまな要素が結びついた。

 「労働法の問題は最後の仕上げだった」と職業訓練中のマシューさん(35歳)は言う。

 「社会主義者だと思われていた政府が次々と私が賛成できない政策を実施する一方、失業や気候変動などの問題に取り組まず、社会は破滅に向かっている」と彼は言う。


 雇用改革反対のデモは3月9日以降毎週行われ、4月9日には6回目のデモが各地で行われた。パリでは12万人が参加し、バスティーユ広場の近くではデモ隊の一部と警官隊が衝突し、警官隊は催涙弾を使用した。


 政府は法案の修正と学生たちの懐柔を追求している。しかし、社会党系の労働組合や社会党支持層の間でもオランド大統領への批判が広がっている。

 法案の採決は4月末か5月に予定されている。これを阻止するため、4月28日にストライキ、5月1日には大規模なデモが計画されている。

 

 

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