たたかいの現場から

940号

◎非正規差別NO!大阪でフェスタ 20条裁判原告ら弾ける歓声

 7月18日、「郵政労働契約法20条裁判西日本提訴2周年記念 非正規差別NO!20条フェスタ」が200名近くの仲間の結集により開催された。
 東西郵政20条裁判原告はもちろん、メトロコマース、長澤運輸、井関農機、大阪医科大学で非正規労働者の労働条件格差違法を闘う仲間の連帯アピールを含め、労契法20条違反を軸に「差別を許さない!」との大きな社会的うねりが作られてきていると実感できる集会となった。


 東京東部労組・メトロコマース支部の後呂委員長からは、「裁判は本当にたいへん。最初の書面作りからうちのめされた。しかし、明るく、楽しく、粘り強くをモットーに闘っている」と語り、裁判の回数ごとに炭坑節の替え歌を作り今は8番となったと委員長自らその歌を歌っていただき、郵政20条裁判の原告も合いの手で参加した。楽しくそしてしたたかに闘っておられる報告であった。


 郵政20条裁判原告らからも、「単に私たちの労働条件改善の闘いではなく、人間の尊厳を踏みにじり、子どもたちの未来をも浸食していくような今の日本の現状に対する闘い」「私たちは組合として裁判を取り組み、多くの仲間に支えられているが、一人で苦しんでいる多くの労働者もいる。その仲間のためにも裁判勝利に全力で闘う」との決意とともに、肩肘張らず、のびのびと勝利を確信して闘っていくことが確認された。
 郵政労契法20条裁判は、ひじょうにシンプルかつ当たり前の要求であり、「正規・非正規ともまったく同じ仕事をしているのに、諸手当・休暇の格差(不支給)は許せない」につきる。


 それに対し、被告=会社は「採用・賃金等の制度が異なる」「果たすべき役割・職責に違いがある」と「制度が異なる故に格差は正当」との主張展開と「定年まで会社に貢献するインセンティブ付与」との主張だ。
 しかし、「制度」などは会社が「安上がりの事業運営」を目的として作り上げた制度であり、私たちは、その制度そのものを問題にしており、制度の違いなどは私たちの主張の反論になり得ない。また、「果たすべき職責等に違いがある」といいながら、処分規定は正社員の処分規定を期間雇用社員にも適用するとされ「処分は同じ」なのである。


 さらに、正社員は「定年まで会社に貢献」とも主張していますが、郵政ユニオンが実施した2015年春闘アンケートでは期間雇用社員の勤続年数は5年以上62.2%、10年以上で29.4%であり、期間雇用社員の雇用継続が反復更新され、長期間働いている実態も明らかになっている。
 やはり、正社員も期間雇用社員も全く同じ仕事をしている。この実態こそが問われなくてはならず、格差は20条違反とすべきだろう。


 郵政労契法20条裁判も西日本では10月から証人尋問が予定され、東日本でも近々に証人尋問日程が決められる予定。いよいよ裁判も重要な局面といえる。
 多くの仲間の皆さんの裁判傍聴を含めたご支援をよろしくお願い申し上げます。

 

稲岡次郎(郵政労契法20条裁判西日本事務局)

 

◎改憲勢力にも、雨にも負けず 4500人が戦争法廃止の声

 7月19日、集会の始まる6時半になると突然の雨。雨脚は強まり、ゲリラ豪雨の様相を示した。雨具を持たない参加者も多く、全身ずぶぬれになりながらも、国会議事堂に向けて、「戦争法廃止」の覚悟を込めた拳を突き上げた。

 参院選直後の「総がかり行動」がどうなるのか気にかかっていたが、国会・議員会館前で開かれた「戦争法廃止、安倍内閣退陣、7.19国会議員会館前集会」には、豪雨にもかかわらず4500人が集まり、声をあげた。参院選の結果で意気消沈している雰囲気は、そこにはなかった。


 参院選では改憲勢力が3分の2を取る結果になったことについて、十分な総括をした上で今後に生かしていく必要性が各政党代表(民新党・枝野幸男氏、共産党・小池晃氏、社民党・福島みずほ氏)から話された。と同時に、32の一人区で野党共闘が実現したこと、その一人区では従来から大きく議席を増やした(前回2議席→今回11議席)ことを前向きにとらえるあいさつが多かった。市民と4野党との共同が結実した一人区の結果に今後の運動の希望があることが、発言者の共通した認識だった。


 「次なる闘い」は東京都知事選挙だ。
 都知事選に立候補することとなった鳥越俊太郎氏も集会に駆けつけ、「私は東京を非核都市宣言の首都にしたい」と語り、都政を都民の手に取り戻すために市民と野党共闘で闘う決意を述べた。
 市民連合と野党4党が参院選で共闘関係を作ることとなった流れを都知事選でも引き継ぎ、鳥越氏を統一候補として擁立できたことの意味は大きい。安保法制違憲訴訟の会や沖縄からのあいさつにも、参院選の結果に落ち込んでいない闘いの決意を感じることができた。

 

瀧 秀樹(昭和シェル労組)

 

◎日日刻刻 「65歳以上人口26.7% (6.29〜7.12)」


 

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