たたかいの現場から

969号

東横イン> 日本橋店に組合結成 支配人のパワハラ追及

 ビジネスホテルの全国チェーンを展開する「東横イン」の東京日本橋店で働く8人(接客のフロント6人、室内清掃等を担うメイク従事者1人、朝食提供時の調理・配膳業務を担うパントリー1人)の仲間が、「全国一般東京東部労組東横イン東京日本橋支部」を結成。

 3月15日、同店舗の支配人によるパワーハラスメントを背景とした会員獲得ノルマの強要撤廃、入社時期の相違による差別的な賃金体系の是正などを求め、同店舗において支配人に対し申し入れを行った(支部結成は昨年の大晦日)。


 支部委員長が「労働組合結成通知」を、支部書記長が15項目を掲げた「要求書」をそれぞれ読みあげ、支部全組合員が拍手で確認のうえ、支配人に突きつけた。
 続いて行われた団体交渉では、おもに支配人による支部組合員に対するパワハラを追及。
 支部組合員全員がこれまで胸の内に秘めていた思いのタケと怒りを、支配人にぶつけた。
 会員ノルマに関しては、その獲得過程での上層部による不当な圧力につき改善を要求し、支配人からは「会員獲得はノルマではない」との明確な回答を引き出した。「会員獲得は(ノルマではなく)目標であること確認する」「今後、労働条件の変更については、労使とも団体交渉で協議する」などを内容とする「確認書」を支配人と取り交わした。

矢部 明浩(東京東部労組書記次長)

 

TSS> 東水労、条件改善要求 不当労で労委申し立て

 全水道東水労は、都水道局が事業の一部業務委託を行っている監理団体である、東京水道サービス(株)(TSS、東京水道グループ企業・筆頭株主は東京都、社員数1300余名)に対し、組合員の交通費不正受給を理由とする不当処分の撤回、不誠実団交、強権的労務政策と組合否認などの不当労働行為を糾弾する社前情宣・抗議行動を、春闘行動の一環として取り組んだ。


 この間、委託先事業所では、事業量に対し人員配置が足りず日常化している長時間労働や職場環境の悪さが問題となっていた。

 終電に間に合わないためやむなくマイカー通勤をしていたことを就業規則違反と一方的に決めつけ、組合員を狙い撃ちに懲戒処分を強行したこと。一方、職場の労働条件改善に立ち上がった社員(組合員)に対する退職強要・昇格差別、昇任試験時の組合加入確認、社員研修における「労働組合には入るな」発言などの不当労働行為が数々明らかとなった。


 東水労は不当処分撤回を求め会社側に団体交渉を申し入れるも、不誠実な対応に終始したことから、昨年、東京地裁に提訴した。

 また一連の労働組合忌避にもとづく会社側の不当労働行為について、東京都労働委員会に救済申し立てを行った。


 今日政府は、水道法改正に関し広域化と合わせコンセッション方式による事業経営への道を開こうとしている。都はこうした動きに先行し、監理委団体を中核に据えた企業グループ経営による公営企業経営を行っているが、水道事業は都民生活の基盤であり、「清浄・豊富・低廉」な水の供給を使命とすることに変わりはない。
 東水労は、経営形態が変遷しても、変わることのない「安全な水を安定的に給水する」ため、実態にそぐわない外部委託計画の見直しを求めるとともに、公務・民間といった雇用形態の違いを超え、水道・下水道労働者が安心して働き続けられる職場の実現をめざし、関連企業労働者の組織化に職場から取り組みを進めている。

 

小泉 尚之(全水道東水労)

 

大阪> 教育合同、府と団交 「コマ数半減」はね返す

 18年度臨時職員・講師雇用継続のたたかいは、大阪府の組合への不当労働行為が最高裁決定で確定してから3度目のたたかいとなった。
 この間行われた2度のたたかいは、「勤務条件の変更または継続を求める」ことは義務的団交事項だとする最高裁決定にもかかわらず、府は「任用は行政行為」として、組合の要求には何ら答えてこなかった。

 組合は再び大阪府労働委員会に申立てを行っているが、18年度は、賃金未払い問題をきっかけに加入した組合員が複数おり、雇用継続の実現はいっそう切実だった。


 しかし、あろうことか、団交中に組合員らが所属する学校の校長が、次年度の条件として「コマ数半減」の打診を組合員らにしていたことがわかった。また、その学校に配当されたコマ数と比較しても、明らかに組合員らを差別した打診であることも明らかになった。
 組合は明らかな不当労働行為であり許せないとし、粘り強く団交を重ねた。

 「任用行為への介入はできない」と回答してきた府だが、まさに不当労働行為が行われようとしているという組合からの指摘により、学校に配当するコマ数は未確定であり、待って欲しいとした。


 結果、組合員らはほぼ前年度と同様のコマ数を確保することができた。労働委員会での主張ではあるべき団交の形に争いがあるが、運動の力で不当労働行為を未然に防ぐことができたのは大きな成果だ。
 一方、雇用が確定しなかった組合員や要求とは異なる職に就いた組合員もおり、組合はさらに解決をめざしている。

 

酒井 さとえ(大阪教育合同労働組合書記長)

 

静岡> 無期転換目前で雇い止め 団交決裂、科研と裁判へ

 科研製薬は、病院用の薬剤等を製造する会社で、ホームページによれば従業員1400人。16年度の売り上げは約1千億円、経常利益は約300億円だ。
 この静岡工場(静岡県藤枝市)で半年更新を20回繰り返し10年働いてきた女性が、昨年7月「更新は次回までで、来年3月以降更新しない」と言われ、静岡ふれあいユニオンに相談に来たのは昨年末のこと。ようやくたどり着いたといえる。


 静岡ふれあいユニオンは他の組合の応援を得て団体交渉を精力的に重ねたが、科研製薬との合意に至ることはできなかった。
 科研製薬の側は、昨年4月ころ職場であった「いじめ」事件について、中心の加害者たちは「反省している」ので問題はないとしながら、契約更新を拒否された当該女性が「身に覚えがない」としているため「反省していない」と言いがかりをつけている。
 雇用について科研製薬は「無期転換防止」ではないことを大きな声で主張した。交渉の中でユニオンは4月1日に雇用を更新し、そのあとは「自主退職」なども含め柔軟に対応することを主張した。その女性の名誉にかかわるものとして、交渉では「いじめに関わっていなかった」と認めることも求めたが、3月末をもっても拒否され続けた。


 やむなく闘いは、訴訟の場へと移る。そして、幅広い宣伝や行動が検討されている。
 科研製薬はがん患者の痛み止めの薬を作っているというので最後に一句紹介したい。
 痛み止め 作る会社が 雇い止め。

 

望月 吉春(静岡ふれあいユニオン)

 

JAL> 争議解決の糸ロつかむ JAL2労組、18春闘で

 日本航空(JAL)の乗員組合とキャビンクルーユニオン(CCU)の2労組は18春闘で、「解雇争議解決」を共同して要求。CCUとの交渉で会社は、「(争議が)長引くのは好ましくない」「われわれも中身を考えている」と、解決に向けた検討を行っている旨、回答した。


 4月9日に開かれた解雇問題解決を求める院内集会で、乗員組合の今泉修一副委員長とCCUの前田環副委員長は「解決に向けた糸口をたぐり寄せた春闘だった」とし、当該労組の責任を果たし赤坂祐一新社長に解決を迫る決意を表明した。
 JALの職場組合が、争議解決を共同の要求にしたのは16年末から。当初は3労組だったが、その後、機長組合と乗員組合が組織統合し現在は2労組。


 会社は当初、「解雇問題は裁判で解決済み」としていたが、粘り強い交渉で「解決していない」と認め、今年1月の経営協議会では植木義晴社長(現会長)が「自分が社長の代で解決したい」と発言するに至った。

 CCUでは1ヵ月かけ、70人の原告団(被解雇者)一人ひとりから希望を聞き取り、交渉に臨んだ。
 JALでは、会社更生時の希望退職、整理解雇やパイロット育成の停止(現在は再開)、止まらない退職のため人員不足が顕在化。組合も要求を強め、年休取得、産前勤務制度の改善、シニア客室乗務員制度の導入など、今春闘は「解雇解決を求めるエネルギーとの相乗効果で、近年稀にみる要求実現となった」と前田CCU副委員長は語った。


 昨年末交渉でも、「復職を希望する被解雇者を戻せば高稼働の軽減になる」との乗員組合の提案に、会社も「高稼働(軽減)には寄与する。新しい提案として預かる」と答えている。

 

北 健一(tean rodojoho)

 

ブルームバーグ> 退職強要のPlP 団交で中止に追い込む

 国際的な通信社ブルームバーグLP社は、PIP(Performance Improvement Plan)と呼ばれる、解雇という重いペナルティが付いた達成困難なノルマを課して労働者を精神的に追い詰め、退職に追い込むという労務管理手法を採っている。

 新聞通信合同ユニオンは、この労務管理手法PIPを団交で追及し、4月10日中止に追い込んだ。


 昨年11月、同社社員Xさんから、PIPを課せられ、退職勧奨を受けていると新聞通信合同ユニオンに相談があった。早速当組合は、団交で会社側を追及。その結果、PIPが客観的、合理的な基準で実施されていないこと、直近にPIPを受けた人の3人に2人が精神疾患を患っていたことを明らかにした。
 会社側は当初、課したノルマが達成できない場合解雇も含む措置を取る姿勢を示していたが、組合の追及とXさんの努力によってPIPをはね返した。


 PIP問題を裁判所等の第三者機関に頼らず団体交渉の場で解決したことは、時間やコスト、当事者の疲労からみても、画期的な成果だといえる。

 

杉村 めぐる(新聞通信合同ユニオン組合員)

 

大阪> 「ノー・ヘイト」でパレード 労働梯団にも注目

 「WE ARE HERE―だれでもおったらええやん」のスローガンのもと、4月1日、大阪市内でDIVERSITY PARADE 2018が開催され、中之島公園から難波まで約3時間をかけパレードを行った。
 在日特権を許さない市民の会をはじめとする差別主義者が路上やネット上で繰り広げるヘイトスピーチに対する抗議の声から生まれたこのパレードには、さまざまなルーツを持つ人、性的少数者、障害のある人々など約1000人が参加した。


今回は、ヘイトスピーチに反対しNo Hateを掲げたWe are here、女性のエンパワメントと性別を越えた連帯をテーマにしたExcited Womens、そして労働者の尊厳と労働環境の改善を訴えた労働梯団の3つのフロートが設けられた。

 この間大阪では、大阪広域生コン協同組合が元在特会の幹部である排外主義者らと手を組み、連帯ユニオン関西地区生コン支部への激しい組合つぶしが続いている。
 「排外主義と労働組合弾圧には親和性がある。分断は労働運動の敵である。差別は労働者のあいだに分断を生む。だから労働運動はあらゆる差別と闘っていく必要がある」と訴え、「誰でも働きやすい職場が多様な社会をひらく」「あきらめなくていい共に闘おう」などと書かれた横断幕で飾られたトラックを先頭に、パレードはスタートした。


 「がんばろう」「There is Power in a Union」「Solidarity Forever」などDJ行松陽介が流すさまざまな労働運動歌が、さらに参加者の気持ちを高揚させた。
 3・11以降、新たな運動が誕生し、運動のスタイルやデモのあり方も変化してきた。その中で、労働組合旗や幟を掲げることを禁止する流れもあったが、この日の参加者からは「ぶっちゃけ、いつもなら組合の幟とか必要ないと思うんやけど、今日はカッコいいね」「いかつかったけど、めっちゃカッコ良かった~!」という感想が見られ、さまざまな運動が共に手をつなぎ、連帯し合えることを示したパレードとなった。

 

大椿 裕子(大阪教育合同労働組合)

 

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